高級綿とデニムバッグの話

京都デニムと綿花

デニムバッグ

デニムの繊維となる綿花は、品種や産地によって大きく違います。綿花によって染料の浸透率や発色が変わるため、デニム生地を染色をする上で綿花選びは非常に重要な作業です。また、デニムバッグを長く愛用し続けたい人にとっては決して欠かせないものです。

高級綿の特徴

デニム生地

綿の繊維長(繊維の長さ)が長く細いほど、しなやかで触り心地の良い上質な綿とされています。綿の繊維は、長さ方向に対して天然のねじれを持ち、これが糸にした時の強度を高めています。

綿花畑

繊維の長さが平均35mm以上の綿花を“超長綿”といい、それらは綿の全生産量のわずか8%です。その中でも最も希少とされる綿を“世界三大コットン”といいます。超長綿は糸が細くても強度が強いため、薄くても丈夫で上質な生地を作ることが可能です。

世界三大コットンの品種

綿花

・ ピマコットン(ペルー北部アンデス山脈)

一般的な綿の3倍の繊維長を持つ最高級の綿。吸湿性が非常に高く、柔らかくしなやかな風合いで、美しい光沢感が特徴。耐久性にも優れ、格段に強度が高いです。不純物混入を防ぐため、人の手で収穫しているため、品質が非常に高い。手作業世界3大コットンの中でも、比較的安定した生産量を誇ります。

・シーアイランドコットン(カリブ海、西インド諸島)

非常に希少とされる高級綿と知られている綿花の一種です。カシミヤのようになめらかな肌触りと絹のような光沢が特徴です。そして最も吸水性に優れ、軽くて強い。綿花生産量の0.001%しか生産されない希少な綿花として「幻のコットン」とも呼ばれています。一部の高級店でしかお目にかかることができない。

・ギザコットン(ナイル川流域)

深い艶やかな発色と保湿性の高さから、衣類に最適な素材とされています。非常になめらかで毛羽立ちにくいのも特徴です。世界的に評価の高いエジプト綿の中でも、最も長く細い繊維長を持ち、最高級とされているのがこのギザコットンです。

綿にこだわる理由

草原

京都デニムが綿にこだわるのは、着物の発祥からの物の考え方も一緒です。着物のような肌触りに少しでも近づけるため、繊維長が長く細い高級綿を選びます。そして、染色の浸透率と染色の美しい風合いをより良く反映する綿を追求しています。

綿の特徴とメリット

デニム生地2

・吸水性・保湿性に優れている
・肌触りがしなやか
・洗濯(水)に強い
・耐久性に優れている
・染色性が良好、染めやすい
・通気性が良い
・水に濡れると強度がUP


綿は吸湿性が高いという性質を持つ反面、寒い時には高い保温性を発揮する天然素材です。内側と外側に温度の差ができると、内側の水分を吸い取って、外側へ発散する性質があります。

一概に、どの製品も高級綿で作ることが、デニムバッグの良さを最大限に活かせるとは言いきれません。デニムバッグのの染色方法、カタチ、デザインにふさわしい綿選びが必要です。質を追求して、身につける人が心から満足するものづくりが重要だと考えています。