デニムのカードケースをつくる、伝統工芸京友禅染め体験イベント!

 
3月19日(土)まいまい京都が企画するイベント【京都デニム】京小紋の手捺染工場へ、友禅染でマイカードケースづくり~ジーンズに“京友禅”!手染め職人のレクチャー付き~が行われました。
職人さんに直接教わりながら京友禅の染めを体験できるということで、募集開始30分で予約が満員となった今回のイベント。体験当日の様子をご紹介します!

本格!京小紋の手捺染工場で行われた今回のイベント

友禅染でマイカードケースづくり
(京都デニムの染色を行う職人さんの工場)

イベントが行われたのは普段京都デニムのジーンズの染色も行っている京都市内の手捺染工場

友禅染でマイカードケースづくり

外はあいにくのお天気のなか、今回の体験イベントに応募して参加していただいた皆さん。なかには、この日のためになんと関東からいらっしゃった方も

友禅染でマイカードケースづくり

13mもある作業台の上で、普段は着物の柄などの染色を行っています。体験の前に、今回のカードケースづくりで体験する友禅染の技法が使われている実際の着物の生地を見せて頂きました。

友禅染の魅力とは?職人さんからの直接レクチャー

友禅染でマイカードケースづくり
(左:宮田さん、真中:竹さん、右:茂木さん)

体験前に友禅染のレクチャーをしていただいたのは、京都デニムのジーンズの染めにも携わる3人の職人さん。

友禅染でマイカードケースづくり (左上:染料、右下:抜染済みの生地、右上:水、真中:筆)

今回使う道具はこちら。
乾燥させた染料を、水を含ませた筆で溶かしながら、色の濃淡や組み合わせによって多彩な色をつくります。

友禅染でマイカードケースづくり
(右:型の上から抜染のりを塗っていく様子、左上:抜染済みの生地、左下:抜染のりを塗った直後)

色を差していくのは生地の白い模様部分。
もともと藍色に染まっているデニム生地から「抜染」という技術を使って色を抜き、模様を浮かび上がらせています。(※今回のイベントでは既に抜染の行程を終えた生地を使用しました。)

友禅染でマイカードケースづくり
(色差しの見本を見せる、職人の茂木さん)

そしてその白い模様部分にまた手作業で丁寧に色を入れていきます。
本物の着物をつくるときにも使われる染料を使い、ただ生地に染料をのせるのではなく、繊維の奥まで色を染み込ませるので、洗濯しても落ちません。
顔料でのスピード制作や刺繍、プリントなどと違って、使うほどに馴染んでくる自然な風合いに仕上がるのです。

友禅染でマイカードケースづくり (京都デニム店長の宮本さん)

京都デニムのジーンズにも使われているこれらの技術。一点一点染めていくのには大変な手間と時間がかかりますが、季節や時間によって発色が異なり、「そのとき」に「その場所」でしか表現できない、伝統工芸京友禅染ならではの奥深い色を表現できるそうです。

いざ友禅染に挑戦!

友禅染でマイカードケースづくり
(参加者にアドバイスをする、職人の宮田さん)

職人さんのレクチャーを聞いて、実際にマイカードケースの染めに挑戦する参加者たち。

桜の花びらごとに色を変えてみたり、花びらの中心部から外にかけてグラデーションにしてみたり、それぞれ工夫を凝らした染めを行っていました。

「その色、どうやってつくったんですか?」
と参加者同士で聞きながら、用意された8色の染料をうまく混ぜたり、水分量を変えたりして、皆さん思い思いの色で染めていました。

なかには、
「細かいところを筆で薄く染めるのが難しい…」
と職人技のすごさを実感していらっしゃった方も。

皆さんの完成したカードケースがこちら

花びら一枚一枚の色を微妙に変えていらっしゃる方や、抜染したままの白い桜の模様をうまくいかしている方も。十人十色の個性的で素敵なカードケースをつくっていました。

まとめ

実際に染めの作業に入ると、皆さん夢中になって筆を動かしていました。色をつくるところから、色の配色、筆の使い方まで、それぞれ工夫を凝らして友禅染を満喫していました。


(カードケースが実際に届くのが待ち遠しそうに、笑顔で工場をあとにしていく皆さん)

完成したカードケースはこのあと、職人さんが色止めの作業を行い、後日参加した方々に届けられるそうです。色止めの工程を行うと、無駄な染料が落ちてより一層鮮やかな色に仕上がるとのこと。
完成が楽しみです。

[文・写真 今井建吾]

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