2017年の干支(えと)である酉(とり)にまつわる社寺が京都にはいくつか存在します。今回は10円玉の絵柄でもお馴染みの平等院鳳凰堂をご紹介します。
目次
平等院鳳凰堂(びょうどういんほうおうどう)
平等院鳳凰堂とは?
平等院は、京都府宇治市にある藤原一族ゆかりの寺院です。平等院にある仏像や庭園、絵画などは世界文化遺産に登録されています。
もともとは藤原道長の別荘として“宇治殿(うじどの)”として建てられましたが、道長が亡くなった後に、息子の頼道がこの宇治殿を寺院に改めました。これが平等院の始まりといわれています。
この年は末法思想により、極楽浄土(※)の信仰が流行しました。その翌年に阿弥陀堂(鳳凰堂)が建てられます。末法思想とは分かりやすくいうと、お釈迦様の正しい教えを行い、修行して悟る人のいない時代がくる!という思考です。
(※)極楽浄土・・・死後迎えることとのできる幸福に満ちた場所
平等院鳳凰堂は第二次世界大戦中も多くの寺院が焼かれていく中、奇跡的に平等院だけは戦火を逃れ、生き残ったそうです。約1000年前に作られた日本的な建物がこれほど美しい状態で現在に残っていると思うと、本当に貴重な寺院だとつくづく思います。
鳳凰堂を上から見ると、鳳凰が翼を広げ尾を背後に長く伸ばしているような形をしていることから阿弥陀堂→鳳凰堂と呼ばれるようになったそうです。
鳳凰堂では仏師である定朝(じょうちょう)作の阿弥陀如来像が祀られています。52体の雲中供養菩薩像(うんちゅうくようぼさつ)は雲に乗って音楽を奏でています。
10円玉のデザイン
平等院鳳凰堂は昭和26年に10円玉のデザインとして選ばれました。みなさんお馴染みの絵柄ですね。数ある寺院の中でこの京都の平等院鳳凰堂が10円の絵柄に選ばれているということは、それほど人々から大切にされ、日本の文化として守るべき寺院として愛されていることがわかりますね。
幸せの前兆として現れる“鳳凰(ほうおう)”
平等院鳳凰堂の屋上には、2羽の鳳凰像があります。鳳凰とは、幸せの前兆に現れるといわれている幻の霊鳥です。鳳が雄、凰が雌といわれていますが、平等院は雄と雌の区別は無いそうです。
1万円札にも鳳凰が!?
この屋根の上にいる鳳凰、なんと1万円札にも印刷されているではありませんか!初めて知りました・・・。みなさんご存知でしたか?
(鳳翔館から眺める苔庭にうっとり・・・)
平等院ミュージアム鳳翔館
鳳翔館では、鳳凰堂の仏像や絵画、工芸品など貴重な国宝を見ることができます。私が一番印象に残っているのは、雲中供養菩薩像(うんちゅうくようぼさつぞう)です。木で作ったとは思えない程の細かい造りや、当時作られた仏像が今現在に残っていることなど感動するところは多々ありますが、なにより空飛ぶ仏様がファンタジック。
これを見た後にお堂の雲中供養菩薩像を見ると本当に気持ちが高まります。ですので、
■鳳凰堂内部拝観の予約
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■平等院ミュージアム鳳翔館
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■鳳凰堂内部拝観
という流れをオススメします。
鳳翔館に併設されたミュージアムショップでは平等院のオリジナルグッズも販売していたりして、見ているだけでも楽しめます。
私は鳳凰のお守りを買って帰りました。
[文:中原]平等院鳳凰堂 アクセス
〒611-0021 京都府宇治市宇治蓮華116
JR奈良線『宇治駅』下車 徒歩10分
京阪電鉄宇治線『京阪宇治駅』下車 徒歩10分