京都デニムは、着物の伝統工芸京友禅染めの技法で一点ものジーンズを製作します。花や草木、伝統文様、家紋など、さまざまな柄を職人が一筆一筆 染め上げていきます。
日本の美しい自然を表現する
染料は生地に浸透し、自然の光を吸収して初めて美しく発色します。同じ色の染料を使っていても、染色する時期、水の温度、室温、生地の持つ温度等で浸透率は異なり、同じように発色することはありません。
自然の現象で起こるその変化は、自然の美しい景色によく似ています。 夕焼けや水面に映る月の光、花びらの濃淡などが、温度や時期、見る人の心によって、色や形が違って見えるように。私たちは、単に着物の柄をジーンズに染めているわけではありません。この情緒溢れる日本の景色を伝統工芸京友禅染めで表現します。
一点ものジーンズは柄を型紙におこす作業から始まります。小さな柄をひとひとつ彫っていきます。
お客様のオリジナルのオーダーも承るため、数々の型紙を製作しています。
型紙製作の後のデニム生地の藍色を抜く作業(抜染)はとても重要な作業です。素材や温度によって色の抜け方が全く違います。
やり直しがきかない作業なので、職人の長年の経験から、その生地や温度、湿度にあった方法で染めていきます。
着物の京友禅は、遠目に見ても、はっきりとわかる大きな模様と華やかな彩りに仕上げるのがひとつの特徴です。
素材がデニム生地に変わっても、そういった着物の技や感性は、変わらず受け継いでいます。
はっきりと模様を出すには、この抜染の作業には深い経験と熟練を要します。自然の条件が完璧に揃うことはありません。思うようにいかないことがほとんどですが、それに対応できる経験が必要になるのです。
白く色が抜けた模様の部分に伝統工芸京友禅染めを施します。模様の中心を濃く、外に向かって淡くぼかしたり、ひとつの模様をむらなく染める技法を組み合わせ、バランスよく配置します。
長い歴史が培った 先人達の想いと技を受け継ぎ、日本の四季が生む素晴らしい色合いを 現代にあったファッション、新たな作品として表現します。
形が変わっても、美しい伝統とは継承されるはず。そう信じて私たちは活動を続けています。