【インタビュー】京都デニム継承展に向けて(木佐貫 麻理)

着物文化の新しい継承の形としてスタートした「京都デニムスクール(通称:デニスク)」では、社会人4名が制作チームとして集まり、週に1回着物の伝統的な染色技法を学んでいます。そして、半年間かけて習得した技術を使って、より多くの方に着物文化を伝える展示会「京都デニム継承展」を2023年5月5日(土)、6日(日)に渉成園にて行います。

今回はデニスクに参加する制作チームの社会人4名に、インタビューを行いました。
一人目は絵画モデルとして活動されている木佐貫麻理さんです。京都デニム継承展にかける想いやデニスクに参加してみての心境などを伺いました。

【profile】
木佐貫 麻理
職業:絵画モデル
フリーランスの絵画モデルを生業とする傍ら、自身も日本画や立体造形など、表現したいものを制作し独自の真理を追求し続ける。

 

お名前とご職業を教えてください。

木佐貫麻理です。職業は絵画モデルをしており、私自身も創作活動をしています。絵画モデルは絵画教室や、主に日展や白日会の公募展に出される作家さんのモデルをしています。

 

京都デニムを知ったきっかけを教えてください。

元々は、昼夜逆転の生活をしていていたのですが、そろそろ太陽とともに目覚めて、日の出とともに眠るみたいな生活をしたいと思っていた時に、「何か良いのがないかな」って思いながらInstagramを見ていたら、社会人インターン生募集って書いてあるのを偶然見つけました。

ずっと前から、ワクワクすることをしてみたいと思っていて、こんな魅力的なところに参加できたら、すごい楽しい未来になるんじゃないかと。生活リズムも整えられて、魅力的な活動が出来ることに、「これや!」と思い応募しました。

 

参加してみて、価値観の変化はありましたか?

私は結構単独行動が好きなんです。
でも、その中でデニスクのメンバーと集まって、同じ目標に向かって協力していくというのは、学生以来の感覚だなと思います。

最初はどんな感じになるか分かりませんでしたが、すごく楽しくて、大人の私が全ての経験とか知識を持ったまま高校生になったみたいな感覚になれる場所なので、変わったというか、思い出したというか。

本気の大人たちが集まってできることって、学生の時とは全然違うと思うので、学生の気持ちになりながら本気なものを作るって、めちゃくちゃ楽しいことだと思います。

(浸染でデニム生地を染めている木佐貫さんと制作メンバーの安田さん)

変化した習慣はありますか?

ひたすらデニムを回収するようになりました(笑)。多分、私の知人は「あの子、やたらデニム集めてる」って思っていると思います。でも、デニムを集めるという理由で気軽に人と会うようになったので、デニムが人をつなげてくれています。

あと、よくSNSも発信するようになりました。今回は来年の展示会に向けて、作品ができるまでのプロセスも全て皆さんに見てほしいなと思うようになって、最近は発信すること自体を楽しめるようになったなと思っています。

あと、何をするにも人を巻き込むようになりました。誰かと協力して作り上げていくっていうことがすごく楽しいことだなって、改めて気づいたので。あと率先して巻き込まれにいくことも増えたと思います。

(植物の絵を描く野外学習での1コマ)

デニスクの作業中に大切にされていることはありますか?

デニスクの作業中は他の方と協力して行うことが多いです。
デニスク班長の安田さんが積極的に動いてくれるので、「任せてようかな」と思ってついつい甘えちゃいがちになる時があるんですけど、

ここで「次は私がやらせてください」って言わないと覚えられないので、そこは勇気を振り絞って伝えてみるように心がけています。

(抜染の技法を練習する木佐貫さん)

5月の継承展への思いや見どころを教えてください。

今回の作品は私1人で作っているとは思ってはいないです。

普通は、個人で絵を描くとなると完全に単独の作業になると思いますが、今いただいている、デニムやパンツだったり、お子様のお洋服だったり、エプロンだったり、色々な人から頂いたものが、作品のどの部分に使われるかや、完成品から、元々はどういう人が使っていて、どんな思いで手放したんだろうとか、そういうのも見にきた人に感じてほしいです。

デニムを提供してくださった方々も、自分の作品だと思って、見に来てほしいと思っています。その方のデニムがなければ、今回の作品はできなかったと言っても過言ではないので。

 

木佐貫さんにとっての京都デニムとはなんなのかを一言でお願いします。

2つでもいいですか?
「大人のネバーランド」と「京都の無法地帯」です(笑)

 

ありがとうございました。

木佐貫さんの活動は以下のリンクからご覧いただけます。

Instagram

クラウドファンディング実施中!

「京都デニムスクール」に参加する4名の社会人が、京都の渉成園でデニム生地を使って着物の伝統的な技法や文化を広めていくための展示会「京都デニム継承展」を行います。当イベントを開催するためにクラウドファンディングでご支援を募っております。

詳細はこちら

 


「京都デニム継承展」イベント詳細

日時:2023年5月5日(金)10:00〜16:00、6日(土)9:00〜15:00(予定)
場所:渉成園
住所:〒600-8190 京都府京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町
アクセス:JR京都駅から徒歩10分

※渉成園の開閉門時間:9:00~17:00(受付16:30まで)