【インタビュー】京都デニム継承展に向けて(城戸 和美)

着物文化の新しい継承の形としてスタートした「京都デニムスクール(通称:デニスク)」では、社会人4名が制作チームとして集まり、週に1回着物の伝統的な染色技法を学んでいます。そして、半年間かけて習得した技術を使って、より多くの方に着物文化を伝える展示会「京都デニム継承展」を2023年5月5日(土)、6日(日)に渉成園にて行います。

今回はデニスクに参加する制作チームの社会人4名に、インタビューを行いました。
三人目は神戸でシェアハウスの運営として活動されている城戸和美さんです。京都デニム継承展にかける想いやデニスクに参加してみての心境などを伺いました。

【profile】
城戸 和美
職業:シェアハウス運営
愛媛県出身。環境問題に関心があり、現在は暮らしの中でエコを伝えるシェアハウス、住みびらきのお家ケレケレを運営している。

 

お名前とご職業を教えてください。

城戸和美です。神戸市で「住みびらきのおうち家ケレケレ」というコミュニティハウスの運営をしています。以前は環境問題に携わる仕事をしていましたが、エコな暮らしをより日常に落とし込んで伝えたいと思うようになり、運営を始めました。

 

どのような背景で環境問題に携わるようになったのですか?

大学時代にフィリピンに留学しており、国際協力に携わりたいと思うようになりました。初めは貧困問題に興味があったのですが、特定の地域の人にしか影響を及ぼせないこと、日本の社会問題を置き去りにするのはなんか違うなと…そこで、どこで取り組んでも日本に関係がある環境問題でビジネスをしていきたいと思うようになりました。

デニスクを知ったきっかけと、参加しようと思った理由について教えてください。

Instagramの広告で見たことがきっかけです。
前職では産業廃棄物のリサイクル会社に勤め、環境問題にビジネスという方法で行動しましたが、リサイクルという考えに限界があることを感じ、
“大量生産・大量消費・大量廃棄”が環境問題に大きな影響を及ぼしていることに気づきます。
そんな時に、伝統的な製法で食用油を作っている友人に出会いました。

彼女と話している中で、大量には生産できないが、作り手の想いが1つ1つこめられた物の品質・作り手に目を向けて買い物をするようになれば、大量生産・大量消費がなくなり、ひいては大量廃棄もなくなると考えるようになりました。

この考えは伝統文化にも通じるものがあると思います。
小さい頃から興味のあった日本の伝統文化を伝えることが、大量生産大量消費を抑えて、エコにつながるのだなと思うようにもなりました。
でも、具体的どうすればいいのか?そんな時に京都デニムの広告が目に入ったので、
実際に伝統文化に触れて、考えを深める機会として参加を決めました。

 

デニスクに参加して変わった価値観や行動はありますか?

工芸品の見え方が変わったことが一番大きかったです。
以前までは、工芸品は「とっつきにくい」「職人技だから一般の人とは別の世界」という印象でした。ですが、我らが師匠の桑山さんから「工芸品は継いでいくものだからね。アートのようにその人にしか出来ない技は求められていない。“誰でもできる“が大切なんです。」という話を聞いて、工芸品のイメージが180度変わりました。

また、さまざまな地域に行った際に、その地域の工芸品を見るようにもなりました。
今までは観光をして「楽しいな」で終わっていたことも、実際に工芸品を買うことでも地域へ貢献するようになり、自分自身の事業でも経験を踏まえながら工芸品の魅力を伝えられるようになったなと思います。京都デニムに入ってなかったら今の行動はしてなかったのかなと思います。

 

5月5日、6日の京都デニム継承展にかける思いや見どころについて教えてください

今はまだ模索中です。というのも、継承店はただ物をそこに飾るだけで継承ではないと思っていて、その場にきた人がエコを考えて、必要以上の購買活動に疑問を持ってもらえる機会になると思います。
作品を通して、何をどう伝えられるのかわからないのですが、やはり工芸品が身近であることを伝えたいです。「身近なんだ!」「面白いんだ!」というのを感じてもらって、他の地域でその土地のものを見たり、京都デニムさんのような企業と関われるきっかけになれば良いなと思っています。

城戸さんにとって「デニスク」はどんな場所ですか?

日本文化や伝統産業を“楽しく”知る入口かなと思います。入口を知ってからどう進むかはわからないのですが、色々な意味での入口になれば良いなと思っています。

 

ありがとうございました。

城戸さんが運営する「住みびらきのお家ケレケレ」の情報は以下のリンクからご覧いただけます。

Instagram ホームページ

クラウドファンディング実施中!

「京都デニムスクール」に参加する4名の社会人が、京都の渉成園でデニム生地を使って着物の伝統的な技法や文化を広めていくための展示会「京都デニム継承展」を行います。当イベントを開催するためにクラウドファンディングでご支援を募っております。

詳細はこちら

 


「京都デニム継承展」イベント詳細

日時:2023年5月5日(金)10:00〜16:00、6日(土)9:00〜15:00(予定)
場所:渉成園
住所:〒600-8190 京都府京都市下京区下珠数屋町通間之町東入東玉水町
アクセス:JR京都駅から徒歩10分

※渉成園の開閉門時間:9:00~17:00(受付16:30まで)